僕は暗闇の中で囁いた。
「同志達よ集え―」


BLACK WING 02


ある日の夜、僕は外へ出た。
もちろん居なくなってしまった善を探しに行くためだ。
だが、何が待ってるのかわからない。
とすると、強力な仲間が必要だった。
とにかく眼を閉じ語りかける。
”僕だよ、善を探しに行くために力を貸してくれないか?”
待つこと30分。
暗闇の中に1人の少女が現れた。
「やだ可南、あの方法で呼び出すなんて、嵐山くんによっぽどのことがあったの?」
彼女−葉瀬本阿理魔は不機嫌そうに答えた。
「なんだか厭な予感がしてさ。阿理魔たちの力がないとだめそうなんだ。」
「そんなに大変なことなの?まぁ、あたしが居れば百人力よねっっ。」
自信満々にそう告げる彼女は僕達のグループのなかでも一際目立つ。
なぜならかなりの美少女だからだ。
僕から見てもそう思う。
「おぃおぃ美女二人でこそこそなに話してんだよ。」
「私無しで嵐山くんみつけにいくつもりだったの?」
「まったく。・・・俺まで狩り出されるとはな。」
物陰から現れたのは、僕がよんだ残りの3人。
峰倉誠、神崎琴姫、風上冷也だ。
「まっさか、皆と一緒にいくつもりだったさ、有難う皆。」
そうして僕らは歩き出した。
向かうのはもちろん善のいる場所。
とりあえず僕達は西へ向かって歩き出したんだ。
いきなり強い風が僕らを襲った。
眼を開けてみると、そこは見たこともない場所だった。
異世界に引き込まれた、と、感じた瞬間だった。
「何?ここどこなのよ・・・あたし達どうなっちゃったわけぇ?」
阿理魔は動揺を隠せないでいる。
他の皆もそうだった。
一瞬、何かが通りすぎた。
「よく来たね、可南。でもここからさきは俺についてこれるかな?」
そんなようなコトバを一瞬で囁かれた。
振り向いた時にはその影はどこにもなかった。
だけど僕にははっきり聞こえたんだ。
其の声は善の声だったって事が。
善もこの世界にいるというのは間違いなさそうだ。
だったら話が早い。
虱潰しにしていけば見つけられるかもしれない。
「可南、今のって、善じゃねぇ?」
「あぁ。確かにそうだったよ。僕に置き土産していってくれたよ。」
誠は混乱しているようだった。
僕だってそうだ。
いきなり変な世界につれてこられて、探していた善が一瞬通り過ぎて。
でもどこか、僕の中ではドキドキするものがあった。
此れから始まる新たな冒険みたいなものに、胸の鼓動は高鳴るばかりだった。
そんなとき、空から降ってきたそれに眼を奪われた。
それは綺麗な黒い羽。
鳥が飛んでいる様子もなかったのに、何故か空から降ってきた。
怪しい輝きを放っている。
だが可南にはそれに惹かれるものがあった。
触れると崩れそうだった。
「何其れキレーvv」
阿理魔も興味津々だ。
それを僕から奪い上げて光に翳すと忍ばせパールのような淡い光の粒がついているのが見えた。
うっとりと見上げていると、いつの間にか知らない奴等に囲まれていた。
「おぃテメェら。その羽をこっちによこしな。そうすりゃ命だけはたすけてやるよ。」
そいつらはそう怒鳴ると僕らのほうに駆け寄ってきた。
一番先に気付いた僕は手の包帯をほどき、掌から突き出る刀を武器に敵を切り裂いた。
ぐぅと断末魔をあげて奴等は倒れこんだ。
赤い血がダラダラ出ている。
砂にしみこみ赤さがさらに増した。
「な、なにもんだおマェは!!!」
「そっちこそ誰だよ。」
剣についた不味い鉄の味のする其れを舐めとると次の一撃に備えて構える。
「ままま待ってくれ、お、俺達は善サマに頼まれて黒い羽さがしをやってるだけだ。お前等にはもうたてつく来はねぇ許してくれ!」
「な・・・善・・・?」
「ふっスキ有りだなァ御嬢ちゃんよぉっ」
スキをついた奴等が僕に襲い掛かろうとした瞬間、奴等は倒れた。
なぜなら僕の仲良しの幽霊である刀の化身「刹那」が守ってくれたからである。
僕の手を利用して奴等をもう一度切り裂く。
「そ・・・んな・・・・善サマぁっっ!!!」
最後に叫んでそいつらは砂と化し消えていった。
「しっかしなんだったんだろうねぇ、ぁぃつらは。嵐山くんと何か関係有るのか・・・・」
琴姫は呟いた。
「危ないとこだったよ。有難う、刹那。」
「いいぇ、可南の身に何かあってからでは大変だったから。」
そういって刹那は僕の中へと消えていった。
なんとかひと段落着いてまた歩き出したころ、1人の少女が可南にぶつかった。
「大丈夫かぃ?怪我は?」
「だ、大丈夫です。ぁの、ぁなたは・・・?」
「僕は黒城可南。ココとは違う世界からやってきてしまったみたいなんだ。ぁ、もしよかったらこれがなんなのか教えてくれないかな?」
「あぁ、コレ、ですか?」
少女は、バックの中から小瓶に入った羽をとりだした。
それは僕らが手にしたのと同じものだった。
「コレは、より多く集めたものが世界を変えられるという不思議な羽なんです。私、その羽を求めて私を道具のように使っていた姉から逃げてきたところなんです。助けてくれませんか?」
「そうだったのか。・・・こんな羽が、ねぇ。僕らはある人をたずねて旅してるんだ。一緒に来るかい?」
「はぃ、お供させてください。ダルク・ナーレスと言います。」
「そう、ダルクな、よろしく。皆も宜しくたのむよ?」
「「おぅ」」
こうしてダルクが僕らの仲間になった。
新たな目的を胸に、新たな一歩を踏み出した。
僕らは歩き続ける、善の為、この黒い羽のため。


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中書き。
むはー2話書きあがりました。
なんか話しごちゃごちゃ展開速すぎでごめんなさいぃ;;;;





























女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理